アルコールは体内で分解される過程で「アセトアルデヒド」という有害物質になります。

この物質は毛細血管を拡張させ顔や皮膚を赤くしたり、動悸や吐き気、頭痛などの症状を引き起こす毒性作用があります。これを分解する酵素がALDH２です。ALDH２の働きにより、人体に無害な酢酸に分解され、尿、汗、呼気になり体外に排出されます。

アルコール体質はNN型、ND型、DD型の3種類があり、両親から1個ずつの遺伝子を貰います。

従って親子や兄弟でも遺伝子型は異なる場合があるのです。

アルコールはお酒として飲む場合はもちろんですが、食べ物や飲み物にもアルコールが含まれているものがあり、お酒が飲めないDD型は特にアルコール過敏症に対する注意が必要です。20歳から問題になる飲酒と違って、アルコール過敏症は生まれた時から注意が必要なのです。

医療機関で注射や採血時に消毒用アルコールを使います。DD型の人は赤く腫れる場合がありますが、問題はアルコールが含まれる点滴剤の場合、DD型の人は注意が必要です。病院に掛かられる時には医師や看護師さんにアルコール過敏症の体質である事を事前に伝えられることをお勧めします。欧米人はほとんどがお酒に強いNN型なので輸入品などは食物・飲み物や医薬品などにも注意が必要です。また、欧米の医療機関で治療を受ける場合は体温を冷やす目的でアルコールを多量に使うことがあり、激しいかぶれの原因になりますので注意が必要です。

DD型：お酒おちょこ一杯でも飲んではいけません。「飲酒厳禁」

ND型・NN型：飲酒直後から呼気アルコール濃度量が減少しますが、呼気アルコール濃度が0mg/ℓになっても脈拍値が高い状態が続き酔いが残っているので注意が必要です。

　『世界で一番お酒に弱い日本人』P116参照